私が動物の写真をテーマにしているのには、
もうひとつ大きな理由があるのです。
それはね、ある写真家の動物写真に、
深い感銘を受けたからなんですよ。
その写真家とは、自らアラスカで生活し、
厳しい極北の大自然と向き合って、
多くの作品を遺された故 星野道夫さん。
10年近く前、私がちょっと厄介な問題で
ものすごく悩み落ち込んでいた時に、
一枚のタテゴトアザラシの赤ちゃんの写真に出会ったのです。
その赤ちゃんアザラシのあまりに穏やかな表情に、
とっても温かく癒される想いがしたんですよ。
ああ、写真って、こんなにも人の心を救う力を持つものなんだ!
って、その瞬間教えられました。
それから目にした星野さんの写真はもちろん、
エッセイがまた素晴らしくてね、
やさしく、そして美しく綴られたその言葉に、
私はすっかり感化されたのです。
星野さんのエッセイの中に
「大きな感動に出会った時、
その感動を人に伝える一番の方法は何か、
それは自分が変わること・・」
っていう超名言があるんだけど、
まさしく星野さんの作品に出会って、
私、大きく変わりました。
それまでも写真を趣味とはしていたけれど、
ただ目に映るものを漫然と撮っていたように思うのです。
それがね、自分が出会って感じたものを、
誰かに伝えたいって強く意識するようになったんですよ。
かつて私が落ち込んだ心を星野さんの写真に救われたように、
自分でもそんな真似事ができたら、とっても素敵だなって。
そしてそれを目標にすることで、
なんだか生きてるのが楽しくなりました。
星野さんのように厳しい大自然と
真っ正面から向き合う気力も体力も根性もないし、
人を変えてしまうほどの感動を与える
その壮大なスケールには足元にも及ばないけれど、
ただほんのちょっぴりだけでも、
ほのぼのと温かいものを感じていただけたら嬉しいな・・。
そんな想いを胸に、
大好きな動物たちの写真を撮っていたいと思うのです。
今日の写真は、相模原公園で出会ったワンちゃんです。
飼い主さんと遊ぶ時の楽しそうな表情が、
キラキラと美しく輝いてました。
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